CADオペと設計者は違う!派遣先からスキル不足を指摘される原因!

CADオペレータ

エンジニア系の派遣会社が取り持つ業務の代表格が設計分野に絡む業務です。

中途で派遣会社に転職される方が多い中で、前職経験が設計業務でした、と申告されるのは良いですが、蓋を開けたら実はCADオペレータ業務でした、という事がしばしばあります。

派遣先への経歴申請や就業前の面談等で商品設計などの経歴がある、と誇らしげにアピールするも、実際の業務に入るとスキル不足で解約を求められるケースが後を絶ちません。いったい、なぜこんなことになるのでしょうか?

理解違い!CADオペ業務を設計業務と同レベルで捉えている!

設計業務とは、多くの人が最初にイメージするのが図面ではないでしょうか?

モノづくりの指図をするのが設計図面で、この図面の中に必要な部品の員数、加工方法、組立方法などの情報が盛り込まれています。つまり図面情報からモノ作りの全体像が見えるがために、設計業務を経験したと勘違いしている可能性もあるでしょう。

しかし、図面が作られる段階というのは、大よその基本設計が終わった状態ですので、作図に関わる業務は概ねCADオペレータの業務(トレース業務ともいう)になります。

もう少し解説しますと、設計者の仕事は商品のイメージを作り出す工程です。商品開発の最初に打ち立てられた商品コンセプトに沿って、商品イメージを図面に起こす前の工程を担うのが設計者の役割です。続いて、設計者がイメージしたものを具現化する、ここが図面化という業務になるわけです。この図面化業務をCADオペレータさんが行っているわけです。

設計業務の定義が難しく人によって理解が違う

まず設計業務はどこからどこまでか?という定義の話をすると難しくなります。

人によっては図面を描く工程が設計という人もおられますし、図面化の前工程である幾多の検討をするところが設計という言い方もあります。

ざっくりですが、設計活動とは、世の中から要求されたものを実際に実現(商品化)してユーザーの手に届けるまでが一連の流れだと考えています。

このような観点で見ると、CADオペレータさんの図面化作業も設計活動の一部を担っているため、設計を経験してきたという理屈的には間違ってはいません。

しかし、派遣先からスキル不足を通達されるという事例で考えると、幾多の検討をしていく活動の部分を重視しておられると理解できます。

つまり、図面が描ける、読めるという分野よりも、もっと商品開発寄りの検討段階のスキルを有した人が求められている事が想像できます。

設計という言葉は、なんとなくイメージは伝わりますが、実際の作業工程は細かく分類されていて、派遣先のニーズと、その業務を担当する派遣社員のスキルをしっかりとマッチングする必要があるということです。

待ち人間では務まらない設計業務!

仕事には、必ずといって良いほど前後工程があります。

CADオペ業務にも当然の如く前後工程があるわけです。ここの記事ではCADオペ業務と設計業務の違いを紹介させていただいていますが、CADオペ業務の前工程に設計者が存在し、設計者の意向を受けてCADオペレータが図面化作業をするという流れになるのです。

CADオペレータは、概ね設計者からの情報を得て図面化作業に入れますが、設計者の業務は非常に範囲が広く、例えば商品開発ならば、商品の設計要件(様々な要求条件)を満たすための検討をしなければなりません。これは、指示を受けて動くというより、自身の役割を理解し自ら動いていかないと務まらない業務なのです。

設計業務はコミュニケーション能力が必須!単独で完結しない役務

設計者の立場では、商品コンセプト通りの物が出来上がるか?ということが大事になります。一方のCADオペレータ業務では、設計者の意図を理解し、忠実に図面化することが出来るか?ということが求められます。ここで重要になるのが前後工程で繰り広げられるコミュニケーションの必要性です。聞きっぱなし、やりっぱなしではなく、計画と行動および結果に整合性があるか?という確認作業を常に行っていくのです。

経験の浅いエンジニアであればあるほど確認作業は密に行うことが要求されます。よって、聞き上手、話し上手は業務の効率に大きく影響するのです。

スキルに応じてCADオペも設計要素業務に参画する

CADオペは設計者からの指示を受けて図面化する作業をメインで行いますが、図面を作成するのみならず、設計者と共同で検討作業を強いられることもあります。目的はいろいろありますが、設計者にステップアップするための基礎知識を習得する工程としてCADオペから経験を積み、設計思想を身に付けていくのです。

最近では、人手不足を課題とする現場は多く、設計者とCADオペの役割分担が常識というわけにはいかず、CADオペをメインとしながら設計作業も出来るエンジニアのニーズも増えてきています。

まとめ

CADオペレータと設計者は似て非なるもので、要求されるスキルは大きく違います。しかし、設計者の思想が理解出来るようになれば、CADオペレータさんも一段階上のスキルを身に付けることが可能です。 現CADオペレータさんに於かれては、絵描き屋さんに留まらず、より設計者思想を身に付けて派遣先からの信頼度向上を目指して欲しいと思います。

タイトルとURLをコピーしました