技術系の派遣社員を扱う業界が、主に常用型の派遣会社である事をご存知の方も多いと思います。常用型の派遣会社では、技術系の専門知識を持つエンジニアが多く集まっています。
派遣先と言われる各企業さんから見ると、即戦力で労働力不足を補えるというメリットがあるはずですが、一概にそうとも言えない事情も見え隠れしていて問題になっています。
派遣先はエンジニアとしての動きを期待しているわけですが、最初から最後まで受け身の仕事ぶりでがっかりされるというケースが多発しています。
正社員と派遣社員という立場の違いはありますが、エンジニアと名の付く以上は、エンジニアの資質を表に出して動かなければなりません。
いったい、なぜこのような状況が多発しているのでしょう?
「出来ません」と役割を放棄する偽エンジニア
皆さん派遣会社のイメージはどのようにお持ちでしょうか?
未だに派遣先のお手伝いさんというイメージが拭えない人も多いことでしょう。
労働力を補うために人を雇うことには何ら間違いはありませんから、確かに根本的な意味や理解は間違っていません。
エンジニア派遣という名前の通り、基本的には派遣というビジネスですから派遣先の指示に従うというキーコンセプトは揺らぐことはありません。
しかし、
しかしですよ、現場はそんな緩いものではないのです。
エンジニアとして迎え入れる以上は、それなりの思想とアウトプットは求められます。
言われた事しかやらない人、これは確かに派遣の路線からは外れてはいませんが、エンジニアと名乗る以上はスキルを問われてきます。
派遣先から言われる一番痛い指摘は、「最初から最後まで受け身」ということです。
エンジニアの世界は、役割分担というものがあって、その役割の中で更にアウトプットを追求していくのですが、自分で物事を考えない人には意思が見えてこないのです。
意思が見えないということは即ち、その人からのアウトプットは期待できない、ということになります。
ということで、本人の理解が頑なに派遣社員であって、到底エンジニアの領域には居ないということになりますね。
アイデアを生まない偽エンジニアは要らない
一般派遣でしたら、単に指示をされたことをやっていれば何ら問題はないでしょう。
むしろ言われた事を正しく遂行すればトラブルも起きません。
エンジニアと名の付く以上は言われた事だけやっていてはダメなのです。
典型的な傾向として、出来ないエンジニアがよく使う言葉として、
あっさりと「出来ません」と返答してきます。
「本当に出来ないのか?」
「他にアイデアはないのか?」
「考えてみたのか?」
「なぜ出来ないのか?」
問い返したい言葉は沢山出てきます。
人と同じ事しか出来ないのならば、何もエンジニアは必要ありません。
むしろ、普通の派遣社員に来てもらっていた方が経費も安く済むわけです。
新しい物、思想を生み出すためにエンジニアの存在があるのです。
それは、エンジニアとしての自覚の無さを表に出しているとしか言い様がありません。
モノづくりという世界は、現存しない技術を生み出すことに魅力があります。
どこの世界でも存在しない、自分達独自の発想を生む活動に醍醐味があるのです。
開口一番が「出来ません」となると、何のために来てもらったのか?
という結論に終着してしまいますよね。
もちろん簡単に出来る仕事などありません。
今すぐ完成形を求めているのではなく、必要なのはアイデアです。
そのプロジェクトに参加している人数分のアイデアを求めているのです。
「YES」しかリアクションのないエンジニア
出来ません、と即答する事がダメなら、YESを言い続ければ良いのか?
というと、これも考え方です。
指示を受けたら返事一つで動き始めるのは仕事の基本です。
しかし、だからといって何でも「YES」ってどうでしょう?
正しいことはYESでも構いませんが、正しくないものまでYESでは困ります。
人というのは完璧な生き物ではありません。
誰にだってミスはありますし、失言もあります。
派遣先の上司も一つ二つの失言はあるでしょう。
指示を受ける側だから「NO」の返事はダメ、というルールはありません。
お互いが確認し合って進むべき方向を間違えないようにするべきです。
気分でNOの返事をすることは許されません。
NOという返事には、理由を伴います。
「なぜNOなのか?」
その根拠を示し、考える方向性を示す必要があります。
時に相手を言い負かす必要も出てきます。
経験上、若いうちは言い負かされるケースの方が多くなるかもしれませんが、自分の意見を言うという訓練は日頃からしておかないと成長していきません。
エンジニアとして、自分の意見を言う、自分の思想を押し通す、という意思や意欲を表に出すことはとても意味があり重要なことなのです。
まとめ
仕事には必ず役割というものがあります。
エンジニア派遣という名を重視するならば、派遣社員だから、という言い訳が口癖になっている方が多いのですが、それは自らアウトプットを阻害しているようなものです。
派遣とエンジニアは意味が別です。派遣だから言われた事しかやらない、というのはエンジニアではないと言っているようなものです。
派遣先から使えないと解約になる人は、一度自分の言動を振り返ってみて欲しいです。