会社組織というのは、各部門内で適材適所に人が配属されていて、業務が計画通りに流れていくことが理想だと考えます。その要員計画というのは、各役割の重要性と、それを処理していく担当者のスキルによって決められていくわけです。
仕事というのは経験の浅い人には難易度の低い仕事が任され、難易度の高い仕事には経験豊富な、もしくは高い能力を持った人が担当するよう割り当てられています。
という事は、人の成長に合わせて、将来的に担当する業務が変わっていくということです。
一方で派遣社員の世界では、社員のスキルに応じて業務の難易度が調整されるのか?ということが気になりますよね。つまりエンジニアとしてステップアップしていけるのか?ということについて考えてみたいと思います。
派遣社員の成長記録を管理するシステムがない
派遣社員の職務経歴で、どのような経験があり、どのような仕事を担当してきたか、ということを営業側は大よそ把握しています。よって、派遣先が変わる場合においてもアプローチする企業ジャンルは絞れているということです。
これまでの経験が情報系だった人に対して化学系の業務を、という的外れになることはありません。しかし、間違っていないのは専門ジャンルというだけで、業務のスキルレベルに応じて営業をかけていく企業の的を得る事ができるのか?というと、その点は怪しいという他ありません。
派遣社員を受け入れる企業さんは、予め派遣社員に業務を任せる範囲を決めています。
業務の流れに対して既に担当ポストが決まっていて、要員が決まっていないポストに派遣社員を割り当てるということになります。
よって、派遣社員のスキルと対象取引先で求められる業務内容とのマッチングが出来ていませんと配属された派遣社員は物足りない感が否めないという事態も起こりうるということです。
結果、派遣社員のスキル管理は営業担当ということになり、営業社員の技術知識のある方とない方でターゲット企業の検討にズレが生じるということに繋がるのです。
派遣社員の過去経歴を見て、次の仕事は・・・??
と計画的に動ける営業担当は少ないかもしれません。
というのも、一日も早く派遣先を決める事、というのが優先ミッションにある派遣会社が殆どだからです。出来る事とすれば、担当営業社員と密にコミュニケーションを取りながら、自分のスキルと次の展開範囲を話し合っておく、という対策が必要になりますね。
派遣先の業務レベルで派遣契約の金額が変わる
派遣先企業さんは、派遣業界の大よその月額相場は把握されていて、与える業務内容に応じて契約金額のランクも定められています。だいたい同じレベルの業務であれば、派遣先が変わっても10万円も違わないのが通例でしょう。
これを具体的な数字で表しますと、
同じレベルの業務をするならば、たとえば、A社が時間当たり2500円/h、B社3000円/hというほど金額差は開かないということです。月額10万円の差があるならば、時間給に換算すると500円以上の差になるということです。実際はそこまでの差はないと思います。
それと、月額の契約金額は、派遣エンジニアに通達する派遣会社とそうでないところがあります。問題は額面を通達しない派遣会社ですね。
特に正社員型の派遣会社では、賞与支給の会社も多く存在します。
エンジニア業務は特定業務ということで、一般派遣の会社よりは割高に給与設定がされていますが、半年おきの賞与や年1度の昇給は毎月の契約金額がベースに査定されることになります。
担当する仕事が月額幾らなのか?ということを知らせない派遣会社では、難易度の低い業務を担当してしまうと査定評価が平均以下だったということもあり、派遣先との契約はとても大事になってきます。
派遣先も楽な業務で高い契約金は払いたくありませんので、派遣社員としては担当する業務レベルの把握は必須であるということになります。
担当の営業社員との巡り合わせ
中堅規模以上の派遣会社は担当営業の転勤が多いことでも知られています。
長期にわたって同じ管轄を担当する営業社員であれば、派遣エンジニアのスキルレベルを把握し、次のステップの検討まで考えられるかもしれません。
或いは、中には技術職の実情に詳しい営業社員も、ごく稀ですが存在することがあって、その場合は派遣先が変わるごとにステップアップのプランが組まれることもあります。
ごく稀な話ですから、あてにされない方が良いです。
では、どうしたら良いのか?
派遣先が変わるタイミングでは、密に営業社員と話をしていく他ありません。
今のスキルと、次に進めていきたい業務スキルを営業担当と共有することです。
ただし、あなたのコミュ力が必要になってきます。
営業を上手に動かすテクニックというと大袈裟ですが、スキルアップのためのPDCAのPの部分はしっかりとやって欲しいと思います。
まとめ
派遣会社では、社員の成長を管理する人事システムが存在していません。
だからといって、エンジニアとしての成長は出来ないということはありません。
自分自身のスキルを把握し、高い志を持ってステップを踏んでいけば必ず周りからの評価も受けられますし、重要な業務も任せられるポストを得る事が出来るはずです。
しかし、自分に甘く、楽な仕事で経験を繋いでいくと、いつまで経っても高度なスキルを身に付ける事は出来ません。環境に甘んじることなく、上を目指して頑張って欲しいと思います。