複数の派遣会社から派遣社員が入っている派遣先で、派遣会社間の移籍が出来るのか?という点で1つAさん(仮名)の実例を紹介したいと思います。
派遣の業務では、派遣先や派遣元との関係で色々考えるべき話も出てきます。
派遣先と派遣元の双方と関係が良好であれば仕事はやり易く、長く同じ仕事に就くことができます。しかし、担当している仕事がどんなに気に入っていても派遣元との関係が上手くいっていないと継続業務が難しいと考えるようになってしまいます。
せっかく仕事が順調に進み、経験値も積み上げられる、職場での信頼関係も構築でき、良い事づくめなのに所属する派遣会社の良し悪しで業務を継続することが難しいと考える人が少なくありません。
退職の申し出は直接派遣先ではなく派遣元に伝える
派遣社員としての業務が難しいと考える場合、退職の選択肢が出てきます。
ここからは実例で紹介していきます。
本来退職の意は派遣先ではなく派遣元に伝えるのがルールです。
なぜなら、派遣社員が業務の契約をしているのは派遣元だからです。
派遣先と業務の契約を交わしているのは派遣会社、つまり派遣元になります。
派遣社員は派遣先との直接契約ではありませんので、退職の連絡は派遣元に伝えるということになるのです。
しかし、派遣先にお世話になっていることは事実で、平素からのお礼も兼ねてAさんが派遣先の職制に事情を話したところ、引き留めが入ったという話です。
派遣先から派遣会社の移籍の可能性を提案された
派遣先から「派遣会社を移籍してでも残ってもらえないか?」
という提案をAさんは受けたそうです。
派遣社員のAさんとしては非常に嬉しい提案ですよね。
派遣先から見れば、優秀なスタッフを失うのは死活問題です。
優秀なスタッフというのは、正社員も派遣社員もありません。
派遣先は、業務の取り組み姿勢が前向きな方を目を光らせてチェックしているのです。
派遣は使い捨て、なんて表現される方もおられますが、仕事の質や量に正社員や派遣という区分はなく、誰がどのような仕事をしてくれるか?という見方であるということですね。
実際、正社員と同等、それ以上の活躍をしている派遣社員は実在します。
派遣先で派遣会社の移籍は問題ない
Aさんのケースの場合、派遣先が実情を理解しスタッフを失う損失を考えた場合、派遣会社の移籍も止む無いと判断したことによります。
あからさまに派遣会社間の移籍を行うことが正しいかどうかは派遣先の環境にもよりますが、派遣先が容認すれば移籍問題はトラブルなく執行できるということです。
派遣先の業務コンセプトを理解し、派遣先が求めるアウトプットを出していける人というのは、派遣社員という条件を飛び越えて派遣先が介入してこられることがあります。
移籍は派遣先の業務を満足に遂行できることが条件
派遣社員の移籍に関しては派遣会社間の問題であって、派遣先には関係のない話と思われるかもしれません。よって、派遣会社間で同意が取れれば移籍は可能、と簡単に捉える方もおられるでしょうが、実はそう簡単な話ではありません。
移籍には、派遣先と派遣会社の契約内容の変更に絡むため、派遣先が好き勝手に移籍を許してはくれません。
派遣先に対して、移籍に伴うメリットというものが求められます。
それが対象の派遣社員の存在価値になるのです。
十分な生産性を生み出さない方の移籍問題は、単に契約の手間となります。
逆の立場で考えてみると、手間を掛けてでも、という見方が理解されると思います。
まとめ
派遣会社間の移籍には色々なケースがあると思います。
ここで紹介しました派遣会社間の移籍は、派遣先を変えずに、というケースです。
派遣会社間の移籍は可能性としてありますが、派遣会社間の理解が得られればというだけでは実現しません。派遣先で業務をしている以上は、派遣先との理解が一致しなければ移籍は難しいのです。
派遣先から見た時に、必要なスタッフとして評価されているか否かという点も大きく寄与すると考えます。