派遣社員が派遣先での業務をする場合に、避けられないのが上司部下の問題です。
大よその場合は、派遣社員が派遣先の職場に配属された最初の第一歩は、派遣先の上司から業務の指示を受ける事になるでしょう。
派遣先が派遣社員を受け入れる場合の方針は色々考えられます。
要員不足を補うための派遣社員の動員もあれば、経験知識を期待して受け入れる場合など、派遣先の考え方で派遣社員の役割・動き方は大きく左右します。
派遣社員の動き方の制約のみならず、パワハラにも発展するケースがあり、深刻な事態に押し迫られる派遣社員も存在するということです。
仕事が出来る派遣社員に牙を向く派遣先の上司
上司部下の問題は延々とありますね。
派遣業界においても派遣先の上司とのトラブルは後を絶ちません。
今回は、実際に起こっている問題を1つ紹介したいと思います。
ここで紹介する話とは、筆者が在籍する派遣会社の、ある優秀な社員の実例です。
彼が派遣された職場は、非常に残業が多く、とにかく業務量が多いのです。
毎日の業務は遅くまでやっていますし、休日の出勤も存在します。
ただし、業務の手順が効率化を全く無視したやり方です。
同じアウトプットを出すために、幾らでも標準化や改善ネタが転がっているような状況をご想像ください。
この状況を変えたいと動いた彼が、派遣先の上司から大バッシングを受けました。
叩き上げの上司が長年作り上げた手順は絶対であり、外部の人間に指摘される事を嫌うという事例です。ここに触れた彼は、これを機にパワハラを受ける事になりました。
派遣先の上司に業務改善および工数削減能力がない
この社員は、派遣先の業務の理解・飲み込みが早く、且つアウトプットも非常に短時間で出していく能力があることで、当初は派遣先からは高い評価を受けていました。
自分の業務のみならず、周りの派遣社員への気配りもあり、業務の進め方がわからない他の派遣会社の社員の面倒も自ら進んで行うナイスガイです。
派遣先が業務の進め方を指導することはなく、配属された派遣社員は、先輩派遣社員の業務を見様見真似で覚えるのが通例になっています。
業務の要領のわからない派遣社員の気持ちを察し、彼が周りの面倒を見ているという状況が続いていました。他の派遣社員の指導と言いましても、そもそもの業務量が多いので指導する時間は自身の作業時間も食い潰してしまいます。
そこで作業の標準化を始めたのですが、派遣先の上司は気に入らないようです。
答えは1つです。
派遣先の上司の指導するやり方は、ズバリ「人界戦術」です。
(人界戦術だと言っていたわけではありませんが、まさにそれです)
「これだけ手順の多い作業を長年やってきた」という自負があるのか、それが自慢なのかわかりませんが、業務の標準化を進めるにおいて強い難色を示したと言います。
あり得ませんよね!?
効率悪すぎです!
同じアウトプット品質を出すために、作業をシンプルにし、時間効率、品質改善を目指せるならば評価されてしかりだと思うところです。
「余計な事はしなくて良い!指示された通りでやれ!」
変革も技術革新の欠片も見えません。
派遣社員だけではない!正社員も改善意識が芽生えない!
皮肉にも上司に押さえつけられている職場はたくさん存在します。
他の優れた意見を一切採り入れない、ワンマン上司の思考で染められている環境、このような職場に配属すると厳しい闘いになります。
エンジニアの腕の見せ所は、新しい発想・技術・アイデアを生み出すこと。
エンジニアとしての醍醐味を奪われるってどうでしょうか?
補足しますが、彼の配属企業は一部上場企業です。
とある業界ナンバーワンで、シェアを独占している企業です。
シェア独占のために危機感が無いのか、
直属上司のエゴで方針が揺るがないのか理由はわかりません。
その職場に属する若い正社員も古い体質に染まります。
競争力が向上しない事は周知ですが、良くも悪くも業界シェアトップが許す油断なのかもしれませんね。
まとめ
派遣の業務は派遣先の上司の意向で全てが決まってしまいます。
外部の人間のアイデアを受け入れない体質もあることでしょう。
常に改善意識を持ち、今よりも良いものを、という資質は大切にするべきです。
頑固な派遣先上司と勝負するという手も考えられますが、派遣元に相談し、別の活躍の場を開拓する手を選択した方が良いのかもしれませんね。