派遣会社は優秀なエンジニアを派遣先に投入し、良い評価を得たいと常々考えているのでしょうが、近年の労働力低下に伴い、良い人材の確保が年々難しくなってきています。
ある新入社員は、採用人事担当にIT関連業務の希望を伝え、入社後の教育を経てIT関連企業への配属を口頭約束されましたが、現実は3交代夜勤付きの工場勤務だったと言います。
後から分かったことは、その派遣会社は主に機械系業務が大半にも関わらず、情報系の新卒を大量に採用し、希望通りIT関連業務に就いた新卒は僅かであったということです。
企業規模拡大が最優先で新卒の希望職種考慮は二の次
派遣会社の収益構造は実に単純で、エンジニアの人数に1人当たりのチャージ(派遣先でいただく単価:契約金額ともいいます)を掛けるだけで計算が成り立ちます。
ということは、業種が何であれ1人でも多く取引先にエンジニアを投入すれば経営は成り立つビジネスであるということです。
常用型の派遣会社は沢山存在していますが、社員育成のコンセプトがしっかりしている派遣会社がどれだけあるか?というと、お世辞にも多いとは言えないかもしれません。
筆者が全ての派遣会社を調査したわけではなく、好き勝手な事を書くわけにはいきませんが、新卒入社から専攻科目と関連性のない業種に配属になった話はよく耳にします。
大学4年間の勉強が直ぐさま業務で戦力になるとは考えにくいですが、ゲーム感覚で人材配置している派遣会社には腹立たしく思うところはあります。
募集要項に書かれている求人情報にはウソが多い
派遣会社の募集要項で強みとする部分は、沢山の取引先があって、それに伴う業務の種類が豊富であるということでしょう。実はこの事が災いを生んでいるケースが多いと予測します。
分かりやすく書きますと、取引している業種が沢山あるので希望する職種に就くことが出来る、という理想像のまま新卒や中途の入社希望者にアナウンスされます。
何の疑いもなければ、希望の職種や業種で業務を選択できると理解するでしょう。
入社希望者から見れば、確定ではない情報を先に通達されるわけですから、後から言った言わないのトラブルになるのは必至です。
しかし、取引先が沢山あることと、入社希望者の意向に沿うことは必ずしも一致するものではありません。つまり約束されたものではないということです。
派遣会社には、入社希望者へのアナウンスの在り方は修正いただきたい事項ですよね。
派遣会社に入社する場合は進路相談等で事前調査が必要
会社というのは入ってみないとわからない世界があるのは事実です。
派遣会社の採用人事の口から出る話は綺麗事であると仮定するのが正解かもしれません。全てを鵜呑みにしていると現実とのギャップを目の当たりにすることになります。
特に大学新卒から派遣会社を検討される場合は、学内の就職課等で先輩の配属実績情報などを伺いながら検討することが大事になるでしょう。
進路のやり直しは何度でも可能ですが、少しでも時間ロスを少なくするためにも情報収集は疎かにしない習慣が必要です。
まとめ
新卒入社の新入社員の配属先が希望に沿わない事例を紹介しましたが、そもそも職場への配属は希望が通る話ばかりではありません。企業規模が大きければ部門も沢山に分かれているため、この傾向は顕著に現れてきます。
派遣会社の場合は、各部門が取引先企業という考え方になりますので、今回紹介した話でいえば、それが組み立て現場であったということになります。
新入社員の立場からは求人詐欺であったかもしれませんが、このような配属を実施している派遣会社は少なくありません。