派遣社員は自ら派遣先の環境を選ぶことが出来ませんので、ある意味、職場環境に対して期待もし、且つ不安もありながら臨むことになるでしょう。
基本的には、派遣社員は派遣先の上司から指示を受けて業務を遂行することになり、職場によっては細かく仕事の手順まで指定されている場合もあります。
一般派遣と常用派遣で与えられる役務のレベルの違いはありますが、ここではエンジニア系の常用派遣で実際にあった話で紹介したいと思います。
同じような経験をされている方もいらっしゃるかもしれませんが、そんな事例に対する対応の仕方など一緒に考えてみましょう。
コスト削減意識がなく残業が多くなる傾向にある職場
派遣業務で、派遣先の残業が多めの職場に属される方は多いと思います。
「残業分は、お金になるからまぁいいか」
と受け止めるのも一理ありますが、エンジニアとしては残念な受け取り方です。
筆者が、とある商品の設計を担う部門で経験した話ですが、
設計と言いますと、連想的に図面の作成業務が伴います。
詳細の状況は機密の関係で省略しますが、要は同じ図面を何度も描いている職場です。
設計というのは、如何に手数を少なく、シンプルに高品位な物を作れるか?
というところに総じて、商品の魅力があるか、というアイデア勝負があると思います。
ここの表現は、もっと上手に書ければ良いのですが・・・
毎月の残業が36協定いっぱいな状況を通期で続けており、設計コストも莫大です。
派遣先の管理職は当たり前のように部員に残業を強要していますが、コスト削減意識がないというか、コストを下げる頭がないというか・・・
出てくる言葉は「残業が多くて申し訳ない」の連続です。
業界の歴史が長い安定企業ほど頭が固く新しい手法に腰が重たい
筆者はメーカー時代に原価企画の経験もしていましたので、ここぞとばかりに鼻高々ではなく、丁重に、ほんとに腰低くですが、コスト削減の提案をしてみました。
案の定、反応は悪かったです。
「長年の悩みだから、そう簡単には改善出来ないよ」
と、半ば諦め気味です。
こんな上司が幅を利かせているので若い職場員も成長するハズがありません。
大企業でも、独占的にシェアを握っている場合、競合が存在しないためにダメな手法であることに気付かないのです。変革を好まない代表例だと感じます。
どうですか?一派遣社員の方が有名企業の管理職よりもコスト意識が高く、経験値を持っている事もあるという話です。
職場の効率化を考えてのコスト削減活動とはいえ、部門のやり方を大々的に変えようとするのは無論抵抗されますし、「生意気に派遣社員のくせに」と言われかねません。
目先の小さい事から改善して高効率な仕事のやり方を見える化してアピール
職場の方針を変えるほどの大きな改善にチャレンジする必要はありません。
まずは目先の業務からコツコツ改善や工夫を加えていけば良いのです。
小さな改善から実績を積み上げる事で大きな改善に繋がっていくはずです。
大事なのは現状維持ではないこと。
言われたことを言われた通りにやっていてはタダの派遣社員です。
もちろん指示通りに実行する事の難しさは重々理解した上で書いています。
同じアウトプットを出すならば、可能な限りシンプルで且つ高効率な方法で仕事をしていくことを考えるべきです。
シンプルと書きましたが、間違っても手を抜く事ではありませんよ。
複雑な手順はミスを誘発するリスクを含むので避けましょう、という意味です。
簡単な手順で同じ品質を出していくのが業務改善の基本です。
同じ職場の方よりも、早く確実な業務遂行が出来れば必ず周りは察知します。
まとめ
派遣先の環境は様々で、忙しい状況を強いられることは良くありがちなケースです。派遣先の上司から指示されるがままに作業し、無難に終わらせるのも良いですが、時に派遣社員が業務改善の中心人物となることもあります。
歴史の長い有名企業でも、業務の進め方が古い体質であることも往々にありますし、業務改革の先導を任されるという特命業務にも遭遇します。
派遣社員だからと半ば諦めている人を多く見かけますが、行動1つで活躍の場を勝ち取ることは可能なのです。そのような活躍をしている派遣社員もいるのだ、という事を知っていただきたかったのです。