転職活動をされたことがある方には馴染み深い話だとは思いますが、履歴書や職務経歴書というものが必須の資料となってきます。特にエンジニア職ですと、どのような実務を経験してきたか?が面接を受ける企業の採用担当者の目に触れることになります。
ここで、多くの人が気にしているポイントがあります。
前職が正社員であったか派遣社員であったか?という点です。
多くの人の理解は、派遣社員の身よりは正社員の方が体裁が良く、採用人事担当者の目に留まりやすいと考えるでしょう。
ここでは、世間一般の理解は現実でも同じなのでしょうか?
という点に着目して解説したいと思います。
正社員や派遣社員の立場ではなく大事なのは職務実績
深い意味を含まず、正社員と派遣社員に対する印象を伺えば、10中8・9は正社員という答えが出てきて不思議はないでしょう。世間一般の理解が派遣業界および派遣社員に対するイメージがネガティブであり、立場の弱い人達という印象が根付いています。
しかし、それはあくまでイメージ。
では、職務というレベルで見たらどうなるか?
正社員だったら皆すごい職歴の持ち主か?というと、そんなことはありません。
正社員の世界でも職務レベルの差異があって、年齢を重ねても誰かのサブ的業務から脱皮できない人も少なくありません。
社員の成長ステップを見ても、まずはサブ業務(見習い)から始まり、担当職務を一人で務める領域に達し、続いて後輩を指導できるレベル、そしてチームを統括するレベル、更には部門を統括する役務、というように成長の段階があるのです。
正社員の成長の過程がこれだけある中で、前職が派遣社員だったという情報のみで職務遂行能力の単純比較は難しいと思います。
派遣社員には誇れる経歴を持ったエンジニアがいる
派遣社員は、正社員の元で指示を仰いで行動しなくてはならない、というルールがあるわけではありません。経験豊富な派遣エンジニアを末端作業に配置するのではなく、力量に応じて適材適所の配属をしている派遣先はかなりあるのです。
意外に思わるかもしれませんが、派遣エンジニアが正社員の教育をしているケースなんて普通に存在してるのですよ。
正社員が、派遣社員が、ではなく、誰が何を知っていて、何を実行できるか?という事が大事で、立場よりもエンジニアとしての経験値に価値があるのです。
履歴書より職務経歴書が重要視される理由
まず履歴書というのは、応募される方の氏名年齢、そして学歴、在籍した企業名が主な情報です。さらには保有資格や趣味、アピールポイントなどがありますが、表面的に見たものに過ぎず、対象の業務に適しているか?という判断材料には物足りません。
中途の人材を求める場合、具体的な業務内容とのマッチング作業を行うには、応募者のスキルを詳細に確認する必要があるため、履歴書情報では満足しないのです。
そこで採否の判断資料の1つとなるのが職務経歴書というものです。
これは、どんな事業所に属していたかというところから更に踏み込んで、経験された詳細の業務内容を記すものになります。履歴書情報では、在籍企業のざっくりとした事業内容しか見えてきませんが、職務経歴書では実作業レベルまで表現することになりますので、応募者としては実務経験値のアピールをする上で重要な資料となるのです。
また、採用人事担当者からも、職務経歴書をベースに細かい質問をしてきますので、より実務に沿った話をすることで企業とのマッチングを進めるのに適した資料となります。
まとめ
履歴書や業務経歴書は、正社員とか派遣社員の優劣を競うものではありません。純粋に、その方がどういう実務経験をしたのかを記録するものであって、たとえ派遣社員だろうが、経験値として評価されることには間違いありません。
もっと言えば、実務経験というのは学歴も関係なく、素直に経験したことを記すものです。よって、企業の採用人事の方は履歴書よりも業務経歴書の内容を重視しています。