派遣先担当者からいただく多数の苦情内容の上位にもあります。
知識経験が少ないことは考慮の上で派遣先に採用いただくのですが、「言われたことしかやらない」「いちいち指示しないと動かない」「物足りない」という非常に残念なコメントをいただき、最悪は契約解除に至ることが多々あります。
若者の心理はいかに??
物足りない若手社員と言われる理由!
社会経験がないのですから、ある程度の範囲は目を瞑ることにしましょう。
しかし、彼らが行っているのは指示を受けたことだけ。それだけです。
若手社員全員とは言いませんが、この傾向は危機的に増えています。
若手社員の言い分は、「何が悪いのですか?」「指示通りにやりましたよね?」
ある派遣先から契約解除となった社員から相談を受けました。
その若手社員は某有名大学卒で、新入社員導入研修でもコミュニケーション力に落ちがあるようには見えませんでした。しかし相談内容を聞いて少々考えさせられたのは言うまでもありません。
派遣先担当者からは「言われたことだけをやっていてもダメ!自分で考えろ!」「言われなくてもこのくらいわかるだろう!?」「周りの空気を読め!」と言われたそうです。
自発的な行動を求められるのは当然のことですが、彼には譲れない思いがあるのでしょう。
言われたこと以外の事に手を出して失敗するのはイヤ!
当然、そのことで怒られるのもイヤ!
「いまやるべきことを自分で考えろ!このくらいわかるだろう?」
何を言われているのかさっぱりわからないと言います。
指示を受けたことに対して何も滞りなく終えたことに対しての評価はないのか?
自分の行動の何が悪いのですか?
彼らの言い分もわからないでもありません。
今のベテラン社員も過去を遡れば彼らと同じような事を言っていたかもしれません。社会人一年生で、周りの状況を的確に判断し、気が利くほどの行動が取れたかどうか?
期待以上の成果を出せる新人はそうそう居ないという事も理解の範囲です。
でも、その彼らの思いが通用するのはせいぜい最初の1年だけ。
いや、半年もすればその程度の口はシャットアウトさせらるでしょう。
この状態で放っておくは不味いですよね。
経験不足から生まれる物足りなさ
よくある話ですが、「モップの話」をご存じでしょうか?
古いオフィスの天井から雨漏りがしました。ある上司から「モップを持ってきて!」と指示を受けた一人の新入社員。「ハイ!」という返事一つでモップを持ってきたのですが、しかし、新入社員君はモップを持って突っ立っているだけ!当然ながら、この姿を見た上司はイライラしますよね。
「ボヤっと立ってないでモップで拭けよ!」と上司。
「えっ?拭くんですか?」と焦る新入社員。
冒頭で紹介した話を同じ流れですよね?
新入社員君からすれば、上司からの指示は「モップを持ってくること」です。
指示されたことはやりました!という心の主張ですね。
上司の心の中は、こうなる場合の応急処置までしてくれたら・・・
と考えているかもしれませんが、双方の距離は相当に離れていそうです。
若手の意識改革と育てる側の根気強さの必要性
多くの業種がAIに取って代わると言われる時代。言われたことだけやっていれば、いづれ自分の立ち位置は無くなってしまいます。作業のバラツキがある人間の精度を考えれば、動作をプログラムされたロボットに勝ち目はありません。
しかし、我々が開拓していきたいのは、定常化された作業ではなく、人対人のビジネス。時と場合によって事の動きが変わっていく。そこをどう切り抜けていくか?
新入社員の判断が未熟ということを考慮すれば、指示する側も雑な言葉にはならないはずです。
もちろん新入社員君を、新入社員の殻を破らせるためには、当然意識改革をさせていく必要はあります。そこで、新入社員とのコミュニケーションという対話を大切にし、相手が何も求めているか?という理解を共有していくことが大事かと思います。
つまり、育てていく側にも根気強く新人達と付き合っていく必要があるということでしょう。
まとめ
最近の若者は?というのはいつの時代にも言われ続けているものです。
忙しい最中につい、このくらいの事も出来ないの?と思いがちになるものですが、それは一方的な言い分にしか過ぎません。相手の受け捉え方、言い分もありますし、想像の範囲で済ませていては互いの意思は伝わらないままだということですね。 新人を預かるということは、今後を担う大切な原石を育てることでもあります。人事担当、直属の上司ともに根気よく対応していきたいものです。