転勤を拒否する新卒入社の派遣社員

転勤

派遣会社で従事する人にとって、就業する場所が一定せず転々とする可能性があるということは理解の範囲だと思います。登録型の派遣会社では通勤圏で業務のマッチングが行われる事が多いのでしょうが、常用型の派遣会社は正社員扱いであるということで、就業場所は広範囲に展開されることが多いのです。

そんな常用型の派遣会社では、総合職扱いで新卒を採用するケースが存在します。

総合職といいますと、勤務地域の制限が無くなることが多く、実は新卒の方と派遣会社との間で勤務地を巡ってトラブルが発生すると言います。

転勤ありの派遣会社なのに採用人事の甘い誘い文句

とある派遣会社側では、新卒採用は総合職で迎え入れる事が条件とあります。
入社の要項には転勤ありの条件も明記され、新卒側としては、その条件を飲んだ上での入社希望という流れになるでしょう。

しかし、事が難しくなった原因は新卒側というより求人のアナウンスをかけた会社側、つまり採用人事の採用活動の在り方に問題があると言います。

応募してきた学生から出てくる質問で特に多いのが転勤に関するものです。

会社は全国に拠点を持ち、総合職で迎え入れる新卒の方には就業地域限定とせず、辞令を受ければ全国に転勤してもらう、というのが条件です。

ところが・・・

派遣会社を就業先で検討する学生あるあるなのか?転勤を極力避けたいと主張する学生が多いと聞きます。転勤を避けることは希望なのか?must条件として捉えているのか?

問題はここです。
新卒の数を確保したい派遣会社は、社の方針を逸脱して学生に甘い声をかける採用担当が居るのです。

その言葉とは・・・
「転勤にならないよう、地元クライアントとのマッチングが出来ます。」

つまり地元就職ですよね。

大学で専攻してきた学科を尊重して、地元クライアントで就業できるようにする、と宣言してしまう採用担当もいるようで後々の新入生の配属の問題を狂わせています。

ここが後々で、言った、聞いていないのトラブルの元です。

会社の方針を守らない採用人事担当

会社の方針を逸脱して学生に興味を持たせるところまではシナリオ通りで話を進められるかもしれませんが、採用後に話のつじつまが合わず、困るのは採用人事側では?

確かに、会社側が墓穴を掘った形になっています。

しかし、採用人事が学生にウソを言ってまで採用出来る理由があるのです。

それは派遣会社の組織的な問題かもしれません。
もちろん全部の派遣会社ではないとは思うのですが・・・

新卒を受け入れて、採用人事が配属まで面倒を見る事になっていれば、後々困るのは明確ですから転勤があることを大前提で話を進めていくことになるでしょう。最初からルールを逸脱することもないはずです。

しかし、派遣会社内の組織の在り方として、とある派遣会社では、採用担当と教育や配属に関わる動作がそれぞれ別の部門が取り持つ仕組みになっています。

このシステムの裏を突いて無責任な採用人事担当者が居るということです。
採用できた人数で評価が下るポイント制ですと尚更です。

採用してしまえば、後は知らん!
これでは会社としてダメですよね。

仕事には流れというものがあります。創業してから僅かの派遣会社には、ベンチャー的な要素が強く、組織間の連携が取れてない会社が多いのも事実です。

学生確保に苦悩する派遣会社の採用人事活動

採用人事の話では、簡単に入社の意思を固めてくれる学生は少ないと言います。

常用型派遣は正社員扱いの会社ですが、会社としてのビジョンがどうなのか?
その派遣会社でどのような事が出来るのか?
希望する業種に就くことが出来るのか?
派遣社員という立場でエンジニアとしての活躍の場はあるのか?

学生からすれば聞きたい事は沢山あるでしょう。

更に、何度も繰り返しますが、そこで集中するのが転勤の話題です。
学生確保のために、あってはならないセリフが切り札に使われるのです。

常用型の派遣会社に応募してくる学生の幾らかは、派遣会社が第一候補ではなかった学生もいます。何社かメーカー系などを受けたが内定がもらえず、エンジニアになれる可能性を鑑みてエンジニア派遣の会社の門を叩いたという背景がありそうです。

派遣は負け組的な目線で捉えている学生も少なからず存在しますし、最初から派遣会社を目指してきた学生の割合はそう多くないのかもしれません。

少しでも派遣会社に目を向けさせる目的とはいえ、社の方針と違うことを言って学生を呼び込むのはいけないと思いますね。

まとめ

会社というのは部門全体で方針が統一してあるべきです。
部門ごとに違うことを言ってしまうと、社員の思いに混乱が起きてしまいます。

採用人数を確保したいばかりに勝手な解釈をする部門があっては会社の進むべき方向にズレが生じるだけでなく、世間からの信頼を損なう恐れもあるのです。

事実、紹介したような状況が露呈する派遣会社は実在しますので、会社の評判など事前に調べらえる事はしっかり調査しておく必要があると思います。

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